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ラ・マンチャを味わう。ケソ・マンチェゴと『ドン・キホーテ』の世界

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チーズラヴァーの皆さん、“CHEESE FM”のお時間です。
今宵も奥深く濃密なチーズの世界へ、ようこそお越しくださいました。
この時間は、普段聞きたいけど聞けないチーズの素朴な疑問をわたくし、DJゴーダが丁寧にご説明いたします。
本日もチーズラヴァーの皆さんよりたくさんのお便りを頂いております…。
それでは早速、本日のお題に参りましょう。

ラ・マンチャを味わう。ケソ・マンチェゴと『ドン・キホーテ』の世界

ラジオネーム "チーズ片手に冒険中" さんからのお便りです。

「先日、スペインのチーズ「ケソ・マンチェゴ」を食べました。調べてみると、マンチェゴはスペインのラ・マンチャ地方にゆかりのあるチーズで、『ドン・キホーテ』の舞台とも関係があると知りました。 ケソ・マンチェゴとラ・マンチャ地方、そして『ドン・キホーテ』には、どのようなつながりがあるのでしょうか?」

チーズラヴァーズの皆さん、こんばんは!今宵も始まりました「Cheese FM」のお時間です。

少しずつ雨の日が増えて、空模様が気になる季節になってきましたね。じめっとした空気に、いよいよ梅雨の時期が近付いてきたな~と感じる今日この頃です。
こんな季節になると、個人的には反対に“乾いた土地”へ思いを馳せたくなりますね……。幼い頃に少しだけスペインに滞在していたことがあるのですが、あのカラッとした空気や、どこまでも続く乾いた大地を、この時期になるとふと思い出します。

お便りに合わせて、スペインの話題を出してみました。
さて、今回のテーマは、スペイン・ラ・マンチャ地方を代表する羊乳チーズ、『ケソ・マンチェゴ(Queso Manchego)』ですね!
そして、このラ・マンチャという土地を語るうえで欠かせないのが、スペイン文学を代表する作品『ドン・キホーテ』です。皆さんは、ドン・キホーテをご存じでしょうか?

私はスペインに滞在していた時に小学校の国語の授業でドン・キホーテを読みました。当時は物語として読んでいた作品ですが、今こうしてチーズのことを考えていると、その舞台であるラ・マンチャ地方とケソ・マンチェゴが自然につながってきます。
それでは早速、ラ・マンチャ地方とドン・キホーテの世界、そしてケソ・マンチェゴをご紹介しましょう。

ケソ・マンチェゴとは

ケソ・マンチェゴは、スペイン中部・ラ・マンチャ地方で作られる羊乳製のチーズです。

使用されるのは、この地域に生息するマンチェガ種という羊のミルクのみ。
乾燥した大地の中で育った羊たちのミルクは、濃厚でコクがあり、マンチェゴ特有の深い味わいを生み出します。

表面に入った独特の編み目模様を見たことがある方もいるかもしれません!
これは昔、エスパルトという草で編まれた型を使っていた名残だと言われています。現在では衛生面などから金型が主流になっていますが、伝統的な模様は今でもマンチェゴの象徴として受け継がれています。

若いうちはミルキーでほんのり甘みがあり、熟成が進むにつれてナッツのような香ばしさや、羊乳らしいコクがより強く感じられるようになります。

ラ・マンチャという土地

マンチェゴを語るうえで欠かせないのが、その舞台であるラ・マンチャ地方。
スペイン中央部に広がるこの地域は、乾燥した気候と広大な平原が特徴で、夏には強い日差しが大地を照らします。

どこまでも続く地平線と、ゆっくり流れる時間。
ラ・マンチャには、どこか現実離れした不思議な空気があるのが写真からもわかりますね。

そんな風景の中に立ち並ぶのが、白い風車です。
乾いた大地に立ち並ぶ白い風車は、ラ・マンチャ地方を象徴する存在でもあります。そして、この風景こそが、ドン・キホーテの世界につながっていきます。

ドン・キホーテとラ・マンチャ

ドン・キホーテは17世紀初頭に書かれたスペイン文学の名作です。
騎士道物語に憧れた主人公ドン・キホーテが、やせ馬ロシナンテにまたがり、従者サンチョ・パンサとともに旅をする物語。その中でも特に有名なのが、“風車を巨人と思い込み突撃する場面”でしょう。

ドン・キホーテの作者は、ミゲル・デ・セルバンテス。
スペイン文学を代表する作家で、日本でいう夏目漱石のような存在と言えます。実際にスペインの10・20・50セント硬貨にはセルバンテスの肖像が描かれており、スペインという国にとって、彼とその作品がどれほど大切な存在であるかが伝わってきます。ドン・キホーテは、そんなセルバンテスが生み出した、スペインを代表する物語なのです。

さて、話を戻して……。
興味深いのは、ドン・キホーテの世界とケソ・マンチェゴが、どちらもラ・マンチャという土地の暮らしから生まれていることです。

ラ・マンチャ地方は、先述した通り広大で乾燥した大地が広がる地域。
そこで人々の生活を支えてきたのが、羊の放牧でした。羊のミルクから作られるチーズは、保存がきき、旅や日々の食事にも適した大切な食べ物だったと考えられます。

そしてドン・キホーテの物語に描かれるのは、騎士や冒険だけではありません。 風車、荒野、宿屋、旅人、そして土地に根ざした人々の暮らし。そうした風景の延長線上に、羊乳チーズであるケソ・マンチェゴの文化があります。

つまり、ケソ・マンチェゴはドン・キホーテに登場する“物語の小道具”というよりも、ドン・キホーテが旅したラ・マンチャの空気や生活を、今に伝える味わいと言えるのかもしれません。白い風車がラ・マンチャ地方の風景を象徴するように、ケソ・マンチェゴもまた、この土地の食文化を象徴する存在です。
文学とチーズ。一見遠いもののようで、実はどちらも同じ大地から生まれた、ラ・マンチャらしさを語るものなのです。


さて、今晩のCheese FMはここまで!

日本ではちょうど梅雨の時期ですが、そんな時期だからこそ、ケソ・マンチェゴを味わいながら、ラ・マンチャ地方の乾いた風や広大な大地に思いを馳せてみるのもいいかもしれません。 遠く離れたスペインの景色や、ドン・キホーテの世界を想像しながらチーズを味わうと、いつもの一口も少し違って感じられる気がします。

それではまた次回のCheese FMでお会いしましょう。Buenas noches!

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