野澤組最新情報ブログ

[Traditional Food Mania] ギロ・ピタ

Traditional Food Mania

グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
ほっとする家庭料理、ならわしとしての食事、季節を感じる食材etc...
各国各地の文化をのぞいて下さい。

産地:ギリシャ

ギロ・ピタ

ギリシャで人気のファーストフード
ギリシャ全土で食べることができる

ギロ・ピタ

産地:
ギリシャ
材料:
ギロス、玉ねぎ、パプリカ、トマト、ピタパン
投稿:
アムステルダム駐在員

 ギリシャでは、どこでも食べられるファーストフードとして「ギロ・ピタ」という料理がある。ギロ・ピタは薄切りの羊肉を棒に刺し、横から火で炙りそぎ落とした「ギロス」と、玉ねぎ・パプリカ・トマトなどの野菜を「ピタ」と呼ばれる平たいパンに挟んで食べるギリシャ伝統の料理である。

 ギロ・ピタは肉の焼き方をはじめ、ピタにはさむ野菜などがトルコ発祥のケバブとよく似ている。ギリシャ料理は一般的にイタリアや南フランスと同じ地中海料理として知られているが、トルコ料理やレバノン料理など東地中海地方の料理との共通点も多くある。アナトリア半島(現在のトルコ)が長い間ギリシャ人主体の東ローマ帝国の領土であった上、1900年代のギリシャとトルコの間で起こった戦争の影響で多くのギリシャ人がトルコに居住していた歴史があったため、トルコ料理がギリシャに伝わったとされている。

 しかし元はトルコ料理といえども、ギロ・ピタはギリシャ独自の進化を遂げておりケバブとの違いがいくつかある。まず現在のケバブは鶏肉や牛肉が使用されることが多いが、ギロ・ピタの肉は羊肉が使用される。また「ザジキ」というギリシャ伝統のヨーグルトソースをギロ・ピタに挟んで食べるという特徴がある。ザジキはギリシャでは最もポピュラーなソースで、パン・肉・野菜料理の付け合せとしても良く食されるが、特にギロ・ピタとしてギロスと合わせることが多い。羊または山羊の乳から作る水切りヨーグルト・キュウリ・ニンニク・塩・オリーブオイル・コショウ・ディルがサジキの材料。非常にシンプルな作り方で、まず布でプレーンヨーグルトを包み水分を抜いておく。キュウリは塩を振り、水を切る。そして全ての材料を混ぜ合わせればザジキの完成である。

 日本ではケバブがメジャーではあるが、さっぱりとしたサジキを挟んだギロ・ピタもこの夏におすすめの料理である。そして食後に濃いエスプレッソのようなギリシャコーヒーを飲んで、遠いギリシャの雰囲気を味わってみてはいかがだろうか。

トルコ発祥のケバブ

トルコ発祥のケバブは
現在 鶏肉・牛肉が多いが
ギロ・ピタは羊肉が使用される

ギリシャコーヒー

食後にギリシャコーヒーを飲むのが一般的
煮出したコーヒーでとても濃いため
ゆっくり飲むのがコツ

ギリシャ イデア島

ギリシャのイデア島
ギロ・ピタはギリシャのどこでも
食べることができる

2019年7月 9日

[Traditional Food Mania] バッテラ

Traditional Food Mania

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産地:大阪府

バッテラ

「小舟」に見立てられた大阪の郷土料理
家庭でもなじみ深い料理である

バッテラ

産地:
大阪府
材料:
しめ鯖、酢飯
投稿:
大阪食品部員

 バッテラとは酢飯の上にしめ鯖をのせ、専用の木枠に押し込めて作る大阪の発祥の押し寿司。「バッテラ」とはポルトガル語でボートの意味があり、幕末から明治にかけて大阪では小舟を「バッティラ」と呼んでいた。鯖は尾の方が小さく、寿司にしたときにその曲線が小舟のように見えることから、当時よりバッテラと呼ばれ親しまれてきた。鯖をお酢や昆布で締めるためあっさりと食せるだけでなく、寿司の保存性が高いのが大きな特徴である。関西地方(特に大阪)では家庭でも作って食べるほどなじみ深い料理である。

 発祥は今から約120年前の明治28年頃。大阪湾で「このしろ(コハダの成魚)」という魚が大量に捕れており、大阪の寿司職人がバッテラを作ったのが始まりである。安価な寿司であったため大好評となったが、「このしろ」は漁獲量に変動があるため、代替品として鯖が使われるようになった。

 バッテラは江戸時代から京都で登場した鯖寿司と似ているとされるが、鯖寿司とは異なるポイントが3つある。まず1つは寿司の切り口の形である。鯖寿司は布巾で寿司を巻き、柔らかい昆布で包むため切り口が丸くなる。一方バッテラは寿司を専用の木枠に入れて型抜きをするため、切り口が四角くなるのが特徴だ。2つ目は使用する鯖の量で、鯖寿司は少し練った酢飯に塩鯖の半身をのせるのに対し、バッテラは酢飯と薄く切った鯖を木枠に押し込めて使用するため鯖寿司と比べてのせる鯖の量が少なくなる。3つ目は昆布の違いである。鯖寿司は上等とされる羅臼昆布を使用するが、バッテラは白板昆布を使用する。

 作り方は、まず白板昆布を湯に通し、冷めてから甘酢に漬けておく。専用の木枠に鯖を敷き詰め、その上から左右の量が均等になるように酢飯をぎゅうぎゅうに敷き詰める。蓋をし両手で押し込んだら、反転させ再び押し込む。ゆっくりとバッテラを木枠から取り外し、白板昆布をのせ、切り分けたら完成。専用の木枠がなくても、細長いお弁当箱を使用すれば家庭でも簡単に大阪の伝統の味を楽しめるので、ぜひ作ってみてほしい。

バッテラ

専用の木枠で型抜きをするため
切り口が四角になる

大阪の押し寿司

大阪名物の押し寿司
加工したネタを使うため保存性が高い

tfm303_4バッテラ

バッテラ発祥の寿司屋では
バッテラを作るための
木枠が展示されている

2019年6月11日

[Traditional Food Mania] 信州そば

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産地:長野県

信州そば

そば切り発祥の地である長野県で
食されているそばは「信州そば」と呼ばれている

信州そば

産地:
長野県
材料:
そば
投稿:
東京食品部員

 国民食として広く食べられているそば。そんなそばの名産地として知られているのは長野県だ。長野県は冷涼で昼夜の温度差が激しく、水はけのよい土壌がそばの栽培に適しており、非常に良質なそばが採れることから「信州そば」として有名になった。

 そもそもそばが食べ物として用いられるようになったのは数千年も昔の縄文時代や弥生時代。公家や武士の時代になっても、今のように麺としてでなく粒のままのお粥、そば団子やそば掻きなどにして食べられていた。今では当たり前である「そば切り」と呼ばれる麺としての食べ方は、諸説あるが江戸時代に長野県で誕生したとされる。手軽な食べ方として江戸に伝わり、屋台のファーストフードとして江戸の庶民に愛され、やがて日本中に広まった。江戸時代に幕府の命令によって大名の国替えが行われた際に信州のそば職人を連れて行ったことから各地に有名なそば処が誕生することになった。その時に特に有名になったのが、島根県出地方「出雲そば」、兵庫県豊岡市「出石そば」、福島県会津地方「会津そば」。これらはいずれも信州の大名の国替えで伝わったものであった。

 信州そばと言っても「そば粉の種類・産地」や「そばの実の磨き方」、「つなぎに使用する素材」、「挽き方・打ち方・作り方」等によって名前が変わる。中でも日本三大そばとして伝わる長野県北信地域の「戸隠そば」は、原料であるソバの甘皮を取らずに引く「挽ぐるみ」のそば粉を使うので、色が濃いのが特徴である。またそばの打ち方として最も歴史のある「一本棒、丸延し」という伝統技法で打っている。「一本棒、丸延し」とは、一本の麺棒で生地を四角ではなく丸く伸ばして、それを台に打ち付けて粘りとコシをだす技法である。さらに戸隠そばの伝統的な盛り方の特徴として、水をあまり切らない状態で一口サイズのそばを5束並べる「ぼっち盛り」と呼ばれるものがある。5束である理由は、戸隠で言い伝えられている天岩戸伝説にまつわる神々を表しているとされる。

 日本の国民食であるそば切り発祥の地、長野でぜひ「信州そば」および「戸隠そば」を味わってみてほしい。

そば茶

蕎麦屋では必ずと言っていいほど
そば茶が提供される

そばの実雑炊

そばの実雑炊の写真
そば切り誕生以前は
雑炊にして食していた

そばアイス

そばアイスの写真
蕎麦屋ではメインディッシュから
デザートまでそばづくしである

2019年5月 7日

[Traditional Food Mania] 魯肉飯

Traditional Food Mania

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産地:台湾

魯肉飯

脂身の多い豚肉と煮汁とご飯がマッチする
台湾のソウルフード

魯肉飯(ルーローファン)

産地:
台湾
材料:
豚バラ(皮付き)、水、醤油、酒、ニンニク、ショウガ、揚げ玉ねぎ、砂糖、八角などの香辛料
投稿:
台湾駐在員

 魯肉飯(ルーローファン)とは、豚肉をしょうゆベースで甘辛く煮込んだ台湾名物のそぼろ丼。庶民の味として家庭料理だけでなく、屋台・食堂・レストラン等街のいたるところで食べることができるソウルフードである。

 魯肉飯は単体で食べるものではなく、おかずに合わせて食べるのが主流。そのサイズは日本の丼ぶりより小さく、少し大きめの茶碗にご飯と肉が山盛りにされている。

 明確な資料は残されていないが、台湾の豚肉屋が余ったくず肉・脂身・皮を細かく刻んで煮込んだものを白ご飯にかけて食べたのが始まりとされ、台湾の庶民から自然と生まれた料理である。

 魯肉飯の作り方は非常にシンプルである。皮のついた豚バラ肉を鍋で蒸し、好みのサイズに刻む。そして豚バラとみじん切りにしたニンニクを軽く炒め、そこに揚げ玉ねぎ・水・醤油・酒・砂糖・コショウ・八角などの香辛料を加え、煮込んで完成。長時間煮込むことで、豚肉からゼラチンが溶け出てきて濃厚な味わいになる。味付けや使用する豚肉の部位は家庭やお店により異なり、八角が強く効いているものやあっさりとした豚肉を使用した物もあり、それぞれの特徴がある。

 台湾に有名な魯肉飯点は数多くあるが、その中でもおすすめしたいのが「今大魯肉飯」と「天天利美食坊」という台北にあるお店。「今大魯肉飯」は朝6時から夜9時まで営業しており、こってりとした脂がのった豚バラ肉と濃厚な煮汁のバランスが絶妙である。また豚バラの煮汁で煮込んだ卵も同じく絶品であるためお勧めしたい。「天天利美食坊」はあっさりとした部位の肉を使用し、甘い味付けが特徴。コショウのスパイスが良く効いていて、他店の魯肉飯とは少し違った味を楽しめる。

 近年日本でも台湾料理は徐々に普及してきたが、まだまだ魯肉飯自体の知名度は高くない。ぜひ台湾に行く機会がある際は、絶品の魯肉飯を味わってみてほしい。

今大魯肉飯

有名店の1つでもある「今大魯肉飯」
昼には行列ができる

濃厚な煮汁で煮込まれた煮卵も絶品

濃厚な煮汁で煮込まれた煮卵も絶品

魯肉飯の缶詰

台湾のコンビニで売られている
魯肉飯の缶詰

2019年4月 9日

[Traditional Food Mania] カンガルー肉

Traditional Food Mania

グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
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産地:オーストラリア

カンガルー肉

オーストラリアではカンガルー肉を
食す文化がある

カンガルー肉

産地:
オーストラリア
投稿:
メルボルン駐在員

 一見牛肉に見えるこの料理、実はカンガルーの肉が使用されている。オーストラリアでは鶏肉・豚肉・牛肉と比較すると少ない量ではあるが年間約4000トンのカンガルー肉が消費されている。オーストラリアのスーパーではカンガルー肉は加工食品・ステーキ・肉団子など、様々な形で店頭に並んでいる。日本でもカンガルー肉はごく少量(年間15―20トン程度)消費されているが、まだまだ珍しい食材といえる。

 カンガルーはオーストラリア大陸をはじめ、タスマニア島やニューギニア島に生息している。オーストラリアの国の紋章に描かれるほどオーストラリアを象徴する動物であるが、1980年に南オーストラリア州でカンガルー肉の食用が解禁されてから、オーストラリア全域でカンガルー肉の利用が広まることになった。

 カンガルー肉はすべて野生のカンガルーを捕獲して生産されている。もともとはオーストラリアの先住民族である「アボリジニ」の食糧であったが、一部のカンガルーの生息数が増加し、生態系に影響を与えかねないと判断した政府が野生のカンガルー数をコントロールするようになった。

 カンガルー肉は他の家畜の肉と比較すると、食感は柔らかく濃厚な風味がある。ミディアムレアでステーキにしても良いが、カンガルー肉には若干の臭みがあるため、ハーブや赤ワインなどでマリネにしても美味しく食すことができる。また牛挽肉と合わせて、ハンバーグ・ソーセージ・カレーの具そして燻製にしても楽しめる。

 そして特筆すべきなのはカンガルー肉の栄養価だ。タンパク質が豊富で脂肪分が2%と少なく、不飽和脂肪酸の一種である共役リノール酸の含有量が多いのが特徴。共役リノール酸は発ガン性や糖尿病を抑えるなどの健康効果があるとされている。

 筋肉をつけたい人やダイエットしたい人に向いている食材であるため、ぜひ勇気をだして食べてみてほしい。

カンガルー肉は脂身が少なく筋繊維が多いのが特徴

カンガルー肉は
脂身が少なく筋繊維が多いのが特徴

加工食品としてもカンガルー肉は使用されている

加工食品としても
カンガルー肉は使用されている

カンガルー肉を牛肉と混ぜ、肉団子の状態で店頭に並べられることも

カンガルー肉を牛肉と混ぜ、
肉団子の状態で店頭に並べられることも

2019年3月12日

[Traditional Food Mania] 太平燕(タイピーエン)

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グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
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産地:熊本県

太平燕

日本生まれの中華料理
熊本県のソウルフードである

太平燕(タイピーエン)

産地:
熊本県
材料:
春雨、ニンジン、マッシュルーム、イカ、揚げ卵、白菜、たけのこ、ふくろ茸、かまぼこ、香菜、もやし、きくらげ、えび、豚肉、鶏がらスープ、白湯、ごま油、塩コショウ
投稿:
熊本営業所 食品部員

 熊本県では中華料理店以外でも学校給食や家庭の食卓にも登場するソウルフード「太平燕(タイピーエン)」をご存知だろうか。春雨をメインに数種類の野菜・豚肉・海鮮が具材として入り、ブレンドされた鶏ガラと豚骨スープのハーモニーが特徴の熊本県ご当地グルメだ。熊本県内のコンビニでもメニューとして登場する程、地域に定着している料理である。

 この太平燕の誕生の歴史を知るには、まず中国の太平燕について知る必要がある。中国の福建省では太平燕というアヒルの卵が入ったワンタンスープのような料理がある。福州語でアヒルの卵という意味である「鴨卵(アッロウン)」は、戦乱を鎮めるという意味の「圧乱」と同音であることから、戦乱が静まれば天下太平という意味の「太平(タイビン)」と言い換えられた。また福州市には「扁肉燕(ビェンニュッイェン)」という豚肉を叩き潰してサツマイモでん粉と一緒に練り込んだワンタン用の皮のことを「燕」という。この2つの素材を組み合わせて作られたのが「太平燕」であり、台湾などでも宴会の席で提供されることがある。

 これの太平燕が日本にいつどのように伝わり、熊本のソウルフードとして根付いたのだろうか。それは明治時代に華僑(外国に移住した中国人)が日本で中華料理店を営み、まかないとして「太平燕」を作ったことが始まりだと言われている。しかし当時の日本ではアヒルの卵は入手困難であったため揚げたニワトリの卵が使用され、さらに扁肉燕の代わりに春雨を用いた。このアレンジによって中国ではスープ料理であった太平燕が日本では麺料理へと変化したのだ。つまり元々太平燕は中国の料理だが、熊本で食べられている「太平燕」は日本生まれの中華料理なのである。

 鍋に少量の油をひき、豚肉・白菜・もやしの順に炒めた後、鶏がらスープを加えて1分程度煮る。そしてエビとイカを加え、さっと煮たら取り出す。さらに先ほど煮たエビとイカと一緒にかまぼこ・揚げ卵以外の食材と白湯を加え1分程煮たら塩コショウで味を調える。煮た具材をお皿に移し、ごま油をたらしたら完成。

 東京で食す機会はまだ少ないが、インスタント太平燕がネットや熊本県のアンテナショップで販売されている。

ヘルシーで低カロリーな春雨の麺が入っている

太平燕はヘルシーで低カロリーな
春雨の麺が入っている

入手困難なアヒルの卵の<br />代わりに揚げた鶏卵が使用された

かつて入手困難なアヒルの卵の
代わりに揚げた鶏卵が使用された

コクがあるのにあっさりしたスープ

鶏ガラと豚骨スープがブレンドされた
コクがあるのにあっさりしたスープ

2019年2月12日

[Traditional Food Mania] トムヤムクン

Traditional Food Mania

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産地:タイ

トムヤムクン

タイの伝統料理 トムヤムクン
世界三大スープの中で最も辛い

トムヤムクン

産地:
タイ
材料:
鶏がらスープ、海老、ふくろたけ、チリ・イン・オイル、ココナッツミルク、カー(タイの生姜)、レモングラス、バイマクルー(こぶみかんの葉)、ブリッキー・ヌー(唐辛子)、ライムの絞り汁、ナンプラー、コリアンダー
投稿:
東京食品部員

 世界三大スープの一つである「トムヤムクン」は南国タイの伝統料理である。ブリッキー・ヌー(唐辛子)の辛味とライムの絞り汁の酸味とココナッツミルクの甘さが絡み合い、エスニック独特の味わいが楽しめるスープだ。タイでは暑い夏の時期に酸味による食欲増進及び辛味による発汗効果で熱を冷まし、冬の時期に唐辛子の辛味で身体を中から温められるため、季節を問わず食べられている。唐辛子の種子に含まれるカプサイシンは発汗作用の他にも血流を強くする働きを持っており、内臓脂肪の燃焼にも効果を発揮するため健康面やダイエットにも効果が見込めるとされる料理だ。

 トムヤムクンの名前の由来は非常にシンプルで、タイ語で「煮る(トム)和える(ヤム)海老(クン)のスープ」という言葉からきている。つまりメインの具材が海老のものを「トムヤムクン」と呼び、メインの具材が鶏肉である場合は「トムヤムガイ」、イカの場合は「トムヤムプラームック」といった呼び方になる。

 日本ではあまり知られていないが、トムヤムクンにはココナッツミルクが入ったまろやかで濃厚なスープの「トムヤムクン・ナムコン」と透き通ったスープで酸味と辛味がストレートに味わえる「トムヤムクン・ナムサイ」の2種類がある。日本で一般的に知られているのは「トムヤムクン・ナムコン」で味も馴染みやすいが、元々のオリジナルは「トムヤムクン・ナムサイ」。かつて食通であった国王が欧州視察に行った際に食べたシチューに感動し、トムヤムクンにミルクを入れたことで「トムヤムクン・ナムコン」が誕生したという話もある。

 そんなトムヤムクンの作り方は次の通りである。海老の背腸を取り除き頭と剥き身に分け、レモングラスを斜め切りに、ふくろたけを半分に切り分ける。さらにカーをスライスし、バイマクルーは葉脈を取ってから細かく千切る。鍋にバターを溶かし、ニンニクを炒めて香りを出した後肉を炒める。鍋に鶏がらスープ・海老の頭・レモングラス・バイマクルー・カー・ココナッツミルクを入れて沸騰させる。沸騰したらふくろたけと海老の剥き身とブリッキー・ヌーを入れて煮立て、ナンプラーと塩とライムの絞り汁で味を調える。

 これから厳しい寒さとなる冬の時期だけでなく健康面・ダイエット効果も見込めるので、是非トムヤムクンを試してみてほしい。

海老が丸ごと!

トムヤムクンには
エビがまるごと入っている

材料は市場で揃う

トムヤムクンの材料は
市場で一通り揃う

トムヤムヌードル

トムヤムスープに麺を入れた
トムヤムヌードルもある

2019年1月 8日

[Traditional Food Mania] エッグベネディクト

Traditional Food Mania

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産地:アメリカ

エッグベネディクト

日本でも一大ブームを巻き起こした
ニューヨークの定番ブレックファーストである

エッグベネディクト

産地:
アメリカ合衆国
材料:
ベーコン、卵、酢、イングリッシュマフィン、バター、オランデーズソース(無塩バター、卵黄、レモン果汁、塩)
投稿:
ニューヨーク駐在員

 20代~30代女性の間で大流行した「エッグベネディクト」、一度は耳にしたことがある料理だと思われるがニューヨーク発祥であることをご存知だろうか。トーストしたマフィンにベーコン・ハムをのせ、オランデーズソースをかけた料理で、ニューヨークでは朝食やブランチの定番である。レストランや地域によってエッグベネディクトには様々な種類があり、ハムの代わりにサーモン・カニ・ロブスター等を使用した「シーフードベネディクト」やハムをコンビーフに代えた「アイリッシュベネディクト」等が知られている。

 エッグベネディクトに欠かせないソースが高級フランス料理の基本ソースとして知られている「オランデーズソース」である。このソースは卵黄とバターが主な材料。もともとは19世紀ごろにフランスのノルマンディー地方で誕生した卵黄バターソースだったが、第一次世界大戦の食糧難でオランダからバターを輸入していたことから「オランデーズソース」という名前になった。

 エッグベネディクト発祥の由来は諸説ある。1863年に「Delmonico's」というステーキハウス店の常連であったルグランド・ベネディクト夫妻が新しいメニューを注文したことから生まれたという説と、1894年のルミュエル・ベネディクトという人物がWaldorfホテルに滞在中に二日酔いを治すための食事として「トースト、ポーチドエッグ、焼いたベーコンにオランデーズソースを添えたもの」という注文をし、その組み合わせに感動したホテル側がトーストをマフィンに、ベーコンをハムに変えて朝食メニューに採用したという説が主に伝わっている。

 エッグベネディクトの作り方は非常にシンプルである。最初にベーコンを油分がなくなるくらいカリカリに焼く。オランデーズソースを作り、沸かしたお湯に酢と塩を入れポーチドエッグを作る。バターでマフィンをトーストし、盛り付けたら完成である。

 家庭でも簡単に作れるメニューであるため、ニューヨーク定番の朝食をぜひ家庭でも味わってみてほしい。

オランデーソース

エッグベネディクトには欠かせない
オランデーズソース

Delmonico's

発祥の由来となった
Delmonico'sステーキハウス
現在もエッグベネディクトを提供する

サーモンのエッグベネディクト

ベーコンの代わりにサーモンを使う等
エッグベネディクトには様々な種類がある

2018年12月11日

[Traditional Food Mania] のっぺ

Traditional Food Mania

グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
ほっとする家庭料理、ならわしとしての食事、季節を感じる食材etc...
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産地:新潟県

のっぺ

汁物のように見えるが、煮物である

のっぺ

産地:
新潟県
材料:
乾燥ホタテ貝柱、干しシイタケ、蓮根、里芋、人参、こんにゃく、かまぼこ、銀杏、いくら、だし汁(家庭によって具材・だし汁は異なる)
投稿:
新潟営業所 営業部員

 「のっぺ」とは、野菜をたっぷりと使用した新潟県の郷土料理。新潟県では当たり前のように食べられている家庭料理で、古くから正月やお盆などの年中行事の際に作られてきた。新潟全土で食べられ、家庭に限らず小料理屋または居酒屋などでも提供される。

 名前の由来は、「濃餅」や「能平」と書かれる「ぬっぺい」から来ており、"とろみ"のあるという意味。のっぺのほかに、"ぬっぺい"や"ぬっぺり"と呼ばれることもある。

 作り方は乾燥ホタテ貝柱と干しシイタケをそれぞれ水で戻し、その他の具材を短冊もしくは細切りにする。鍋にだし汁を移し、かまぼこ・銀杏・いくら以外の具材の灰汁を取りながら煮込む。火が通ったらかまぼこと銀杏を入れ、味付けをする。ここに茹でておいたいくらを入れる。 加熱し、表面が白くなった状態のいくらを新潟では"とと豆"と呼んでおり、のっぺには欠かせない材料である。加熱することでプチっと口の中ではじけるような食感に変化するため、生のいくらよりとと豆の方を好むという声もある。またのっぺのとろみは片栗粉ではなく、里芋からでる自然のとろみである。温かくしても冷たくしても美味しいなので、1年を通して食べられる。

 ところで、のっぺに類似している「のっぺい汁(濃餅汁)」という料理はご存知だろうか。のっぺい汁は全国的に食されている料理で、残ってしまった野菜の皮やヘタをごま油でいためてから煮込んだ汁物。濃餅とは餅のようなとろみを意味しており、その名前の由来はのっぺと同様でとろみであることがわかる。 ルーツは精進料理だが、現在では鶏肉や魚を加えることもある。「のっぺ」との違いは、「のっぺ」はあくまで煮物であり、残り物の野菜などではなく、食材にもこだわっている点が大きく異なる。

 来年はおせちにのっぺをプラスして温かい正月にしてみてはいかがだろうか。

乾燥ホタテ貝柱

乾燥ホタテ貝柱を水で戻す

具材を煮込む

根菜などの固い具材から煮込み、
かまぼこや銀杏は後から入れる。

のっぺの食材

のっぺには多くの材料を使用する

2018年11月13日

[Traditional Food Mania] ピエロギ

Traditional Food Mania

グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
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産地:ポーランド

ピエロギ

挽肉とリコッタチーズが入ったピエロギ
5つも食べればお腹一杯になるというボリューム

ピエロギ

産地:
ポーランド
材料:
卵、サワークリーム、小麦粉、具材、ベーキングパウダー、塩
投稿:
アムステルダム駐在員

 この水餃子のような形をした料理はポーランドの郷土料理「ピエロギ」である。ポーランド人なら誰もが好きな主食で、その具材は多岐にわたる。挽肉、マッシュポテト、チーズ、羊乳チーズ、ザワークラウト、キノコなどが一般的な具材として詰められることもあればデザート用として新鮮な果物を詰められることもある。主に茹でて提供することが多いが、店舗によっては焼いて提供することもある。ポーランドではテラス席で日光を浴びながらビールを片手にピエロギを食べる人々をよく目にするが、ピエロギとビールはとても相性が良い。

 そんなピエロギはかつてポーランドとリトアニア共和国の東部辺境地帯の貧しい下層農民の料理であった。調理に様々な工夫をしたり、高価な材料を用いたりしたことで、ピエロギは貴族や商人を含むポーランドの全ての社会階級に普及した。それと同時に貧しい東方辺境地方の下層農民の料理が改良されたという歴史もある。

 ここでピエロギの作り方を紹介したい。まずはピエロギに入れる具材に火を通し、冷ましておく。次は皮作りだが、実はピエロギ作りにおいて最も難しいのは皮作りである。卵とサワークリームを滑らかになるまでかき混ぜ、ふるいにかけた小麦粉・ベーキングパウダーと混ぜ合わせる。ある程度生地がまとまったら耳たぶより少し硬い程度になるまでこねる。麺棒で3ミリほどの厚さにのばし、丸いコップで型抜きをする。生地の中心に具をのせ、周囲を水で濡らし、フォークを使ったりそのまま素手で包んだりする。大きな鍋にお湯を沸かし、塩を少々入れたらピエロギを5分程茹でる。茹で上がったピエロギに溶かしバターでパン粉を揚げたソース、もしくはラードでカリカリに揚げたベーコンと玉ねぎをかけて完成。デザートの場合はアップルソースなどをかけて食べるのが主流である。

 日本で本場のピエロギを口にすることはなかなか難しいので、ぜひとも手作りに挑戦してほしい一品である。

tfm295_2ピエロギ

焼いたピエロギも
提供されることがある

tfm295_3ピエロギ

ピエロギに合うポーランド産ビール

tfm295_4ピエロギ

ワルシャワ旧市街
ワルシャワにはピエロギ専門店が多くある

2018年10月 9日
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野澤組のコンセプト 酪農支援 通販
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