野澤組最新情報ブログ

[Traditional Food Mania] 豆花(ドウファ)

Traditional Food Mania

グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
ほっとする家庭料理、ならわしとしての食事、季節を感じる食材etc...
各国各地の文化をのぞいて下さい。

産地:中華圏(中国・台湾)

豆花(ドウファ)

中華圏で食べられる豆花
台湾では甘くして食べるのが主流(約180円~)

豆花(ドウファ)

産地:
中華圏(中国・台湾)
材料:
豆乳、凝固剤など
投稿:
台湾駐在員

 豆花とは大豆から作られる豆乳を凝固剤で固めたプリンのような食べ物。台湾では伝統的なスイーツとして広く知られており、落花生・白玉団子・タピオカ・フルーツ等をトッピングし甘いシロップをかけて食べられる。夏は氷を入れて冷たくしたり、冬は温めた小豆と一緒に食べたりするため、1年を通して食べられているスイーツだ。

 "豆乳を凝固剤で固める"というと豆腐と似ていると思われるかもしれないが、使用される凝固剤が異なるため食感が違う。豆花はプリンのように、やわらかく滑らかでツルっとした食感が特徴。

 豆花は中華圏で広く食べられており、その呼び名は「豆腐脳(中国北部)」「豆腐花(中国南部・香港・マレーシア・シンガポール)」「老豆腐」「豆腐生」など様々である。食べ方も多岐にわたっており、台湾では豆花を甘くしスイーツとして食べられているが、中国北部では豆花を木耳やカリフラワー等の食材と一緒に炒めて塩辛い味付けで食べる。さらに中国の四川や重慶では辛い調味料と一緒に調理され、ご飯のおかずとして使用されることもある。

 そんな豆花の歴史は諸説あるが、紀元前「漢」の時代に王族が豆乳に食用の石膏を入れて豆腐を作ったことが始まり。元々は豆腐も豆花も区別されていなかったが、加工方法によって分かれていった。

 豆花を作るためには無調整豆乳・地瓜粉(キャッサバの粉)・硫酸カルシウム・水が必要になる。はじめに地瓜粉と硫酸カルシウムと水をボウルに合わせておく。豆乳を沸騰寸前まで熱した後、ボウルに豆乳を高い位置から入れる。そして表面にできた気泡を丁寧にスプーンで取り除き、粗熱をとって冷蔵庫で冷やせば完成。これは台湾本場の作り方だが、家庭で簡単に作りたい場合は粉寒天でも代用できる。

 ところで台湾には豆乳料理が多いのはご存知だろうか。台湾の伝統的な朝ごはんとして有名な「豆漿」をはじめ、「臭豆腐」や「油豆腐」などの豆腐料理もメジャーだ。また最近は豆乳を手軽に飲める豆乳スタンドも登場している。台湾では1人当たりの豆乳消費量が2018年の時点で年間6.5リットルと世界的に見てもかなり多く、日本の消費量(3.4リットル)と比較すると2倍近くの豆乳が飲まれていることになる。このことから台湾では豆乳が身近な飲料であることがわかる。

 タピオカドリンクに次いで注目されている台湾のスイーツ「豆花」は日本にも既に専門店が登場しているため、寒い冬には温かい豆花を、暑い夏にはかき氷がのった豆花を食べに行ってほしい。

タピオカとシロップのかき氷がのった豆花

タピオカとシロップの
かき氷がのった豆花

豆花のトッピング

大豆・タロイモ・ピーナッツ
タピオカ等の様々なトッピング

地元の豆花

地元の豆花屋
豆花は1年を通して食べられる

2020年3月 9日

[Traditional Food Mania] ヒュッツポット

Traditional Food Mania

グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
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産地:オランダ

ヒュッツポット

ヒュッツポットはシンプルな材料だが
野菜の甘みで味わい深い料理となっている

ヒュッツポット

産地:
オランダ
材料:
ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ
投稿:
アムステルダム駐在員

 ヒュッツポットはオランダで伝統的に食べられている家庭料理である。ジャガイモ・ニンジン・玉ねぎを茹でてつぶしたものをヒュッツポットと呼び、そこにソーセージを添えるもしくは牛肉の煮込みをかけるのがオランダの食べ方だ。

 この料理はオランダにて1568年から1648年まで続いたスペインからの独立戦争である「80年戦争」で誕生したと言われている。戦いの舞台となったオランダ西部の都市ライデンでは、スペイン軍に包囲されていたときに上流の堤防を決壊させスペイン軍を撤退させたという歴史があり、撤退したスペイン軍の陣地で温かい潰した状態の野菜の料理が発見されたことがヒュッツポットのはじまりであるとされている。ライデンでは、毎年10月3日の解放記念日には音楽イベントや礼拝が盛大に行われ、夜にはヒュッツポットを食べて記念日を祝うのが伝統となっている。

 そんなヒュッツポットのレシピは野菜の皮を剥き、ひと口大に切るところから始まる。そしてジャガイモ・ニンジン・玉ねぎの順に少量塩を入れた鍋で煮ていく。軟らかくなったら鍋の水を切り、野菜を粗めに潰し、ヒュッツポットは完成。ソーセージもしくは牛肉の煮込みを添えたらオランダ流の食べ方ができる。

 気になるのがヒュッツポットの味わいだが、野菜を煮込むことでニンジンと玉ねぎの甘さが引き立ち、シンプルながらも奥深い野菜の旨味が味わえる料理となっている。この料理に使用されるニンジンは初霜が降りてすぐに収穫される大きく太い品種の冬ニンジン。この冬ニンジンに含まれる糖分がヒュッツポットに深い甘みを加えることで味わい深い料理になっている。

 ところでニンジンの色と言えば、多くの人が思い浮かべるのはオレンジ色だと思う。ニンジンのオレンジ色は実は17世紀ごろオランダで品種改良し作られたものであるということをご存知だろうか。北アフリカから出現した突然変異の黄色いニンジンの種子をオランダの科学者と栽培者が協力して改良し、オランダ王室であるオレンジ家をなぞらえてオレンジ色のニンジンを開発したそうだ。

 ヒュッツポットは使用されているニンジンを含め、オランダの歴史と非常に深い繋がりがある料理であることがわかった。簡単なレシピなのでぜひご自宅でオランダの歴史を思い出しながら召し上がってみてほしい。

ヒュッツポット

ヒュッツポットはソーセージや
牛肉の煮込みと一緒に食べられる

オランダ海軍のレリーフ

海外に派兵されたオランダ海軍は
故郷の味であるヒュッツポットを
恋しがったという逸話もある

ニンジン

現代のニンジンのオレンジ色は
17世紀にオランダによって
開発されたものだった

2020年2月12日

[Traditional Food Mania] きつねうどん

Traditional Food Mania

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産地:大阪府

きつねうどん

全国的に有名な油揚げがのった
"きつねうどん" は大阪発祥である

きつねうどん

産地:
大阪府
材料:
うどん、油揚げ
投稿:
大阪食品部員

 寒い時期に食べたくなるのがうどん。日本の伝統料理であるうどんは地域ごとに食べ方の特色がある。そんな数々のうどんの中でも甘く煮た油揚げがのった「きつねうどん」は特に有名で、好んで食べる人が多いのではないだろうか。このきつねうどんは大阪の南船場発祥の料理である。

 きつねうどんが誕生したのは1893年頃。大阪の南船場にある老舗うどん屋で、うどんの付け合せとして稲荷寿司用の甘く煮た油揚げを提供したことが発祥とされている。初めはうどんと油揚げを別々に提供していたが、油揚げをうどんの中にいれて食べる客が多かったことから、現在のきつねうどんの形になった。

 そもそも油揚げを何故きつねと呼ぶのか疑問に思ったことはないだろうか。その答えはきつねを信仰対象としている日本の歴史と深い繋がりがある。古くから日本では農耕をしており、穀物を食い荒らすネズミを好んで食べるきつねを崇めるようになった。きつねへのお供え物としてはじめはねずみを揚げたものを供えていたが、仏教の教えに従って殺生を避けるようになり、代わりに油揚げを供えるようになったという一説がある。またきつねの毛色と油揚げの色が似ていること、きつねの丸くなった姿が油揚げを連想させるなどと諸説あるが、きつねと油揚げには日本の古い歴史に由来する深い関係があった。

 関西ではきつねうどんを別名「しのだうどん」とも呼ぶが、この呼び方にもきつねと深い関わりがある。大阪府和泉市葛の葉町に「信太森葛葉稲荷神社(しのだのもりくずのはいなりじんじゃ)」と呼ばれる神社がある。この神社がある土地は陰陽師として活躍した安倍晴明の母である白狐の葛乃葉と父である安部保名の出会いの場所として伝わっているため、白狐との縁が深い神社の名前からきつねうどんは「しのだうどん」とも呼ばれるようになった。

 ちなみに油揚げがのった蕎麦を関東では「きつねそば」と呼ぶが、大阪にはきつねそばという料理は存在しない。油揚げがのった蕎麦を大阪では「たぬきそば」と呼んでいる。混乱しないように注文してほしい。

きつねうどんのコシのある麺

うどんのだし汁がよくからむ
コシのある麺が特徴

きつねうどん発祥の店舗

きつねうどん発祥の店舗
米とうどんが合体した
おじやうどんという看板料理もある

きつねうどんのきっかけは稲荷寿司用の油揚げ

きつねうどんのはじまりは
稲荷寿司用の油揚げを
うどんと提供したことがきっかけ

2020年1月 7日

[Traditional Food Mania] ハントンライス

Traditional Food Mania

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産地:石川県金沢市

ハントンライス

金沢のソウルフード"ハントンライス"
かなりボリューミーで満足感がある

ハントンライス

産地:
石川県金沢市
材料:
バターライス、卵、マグロのフライ、ケチャップ
投稿:
東京食品員

 ハントンライスとは、ケチャップ風味のバターライスの上に卵と魚のフライをのせ、その上からケチャップとタルタルソースをかけた石川県金沢市発祥の洋食である。ハントンライスのハントンとは、ハンガリーの「ハン」とフランス語でマグロを意味する「トン」を合わせた造語で、金沢カレーや金沢おでんと共に金沢を代表する名物料理だ。県内では約50店舗で提供されており、今ではケチャップ風バターライスをチキンライスにしたり、トッピングをエビフライや鶏の唐揚げに変更したりする店舗もあり、各店それぞれオリジナルのハントンライスを提供している。

 1960年代後半、東京で修業をしたある料理人が金沢の中心地の片町にて洋食レストランを出店する際、考案したメニューが「ハントンライス」だった。そのメニューはハンガリー料理からヒントを得て、パプリカとバターで味付けしたご飯の上にマグロのフライ等をのせた料理であり、若者に好まれる料理として考えられた。

 ハントンライスは次第に若者を中心に人気となり、その後その洋食店から独立したコックたちが、自分のお店のメニューとしてハントンライスを提供したことから金沢市内で広まっていった。

 現在ではハントンライス発祥のお店は閉店となっているが、当時の味を受け継いでいる洋食店がいくつもあり、ハントンライスを食べるために金沢を訪れる観光客もいるほど。

 ハントンライスを作るためには、まずバターライスを作る必要がある。じっくりと炒めたタマネギとバターを温かいご飯に合わせ、ケチャップを入れたら他の具材は何も入れずに混ぜ合わせる。魚のフライをのせるため、味がしつこくならないようにバターとケチャップのみの味付けとなっている。次にマグロの塊にパン粉をつけて揚げればトッピングの完成である。最後に3個分の卵で作った半熟状態の卵をバターライスの上にのせ、マグロのフライをのせる。仕上げにケチャップとタルタルソースをかけたら完成。

 金沢名物のなかでもひと際存在感があるハントンライス。ぜひハントンライスを食べに金沢を訪れてほしい。

ハントンライス

ハントンライスの中身は
具がないケチャップ風味の
バターライス

ハントンライスの人気洋食店

ハントンライスの人気洋食店
お昼時にはかなりの行列ができる

クリームスープ

ハントンライスと
クリームスープの組み合わせが人気

2019年12月10日

[Traditional Food Mania] ロングブラックとフラットホワイト

Traditional Food Mania

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産地:オーストラリア

オーストラリア発祥のコーヒー
エスプレッソがベースのため香り高さが特徴

ロングブラック
フラットホワイト

産地:
オーストラリア
材料:
ロングブラック:エスプレッソ・お湯
フラットホワイト:エスプレッソ、スチームミルク
投稿:
メルボルン駐在員

 オーストラリアは独自のコーヒー文化が根付いたコーヒー大国であることをご存知だろうか。「ロングブラック」及び「フラットホワイト」はオーストラリアで生まれた独自のコーヒーである。

 ロングブラックはお湯にエスプレッソのダブルを注いだコーヒーで、味は微妙に異なるが日本の一般的なブラックコーヒーに近い味である。類似するコーヒーとしてエスプレッソにお湯を注いだアメリカーノがあるが、ロングブラックはエスプレッソを後から注ぐため、香りと旨味の詰まった泡がコーヒーの表面に残るという特徴がある。

 フラットホワイトはエスプレッソにきめ細かく泡立てたミルクを加えたラテの一種である。使用するミルクの量がカフェラテに比べて少なめであるため、エスプレッソの味を強く感じることができる特徴がある。

 そもそも何故オーストラリアはコーヒー大国となったのだろうか。その答えはイギリスの植民地時代まで遡る。もともとオーストラリアはイギリスの植民地だったことから紅茶を飲む文化が発展していた。しかしイタリアをはじめとする様々な国からの移民が増え、オーストラリアの食生活は徐々に変化していき、質の良いイタリアのコーヒーが家庭で飲まれるようになった。80年代の後半には移民たちが経営するカフェが開かれ、コーヒーが提供される場がさらに増えていった。そして2000年開催のシドニーオリンピックでは、禁止されていた飲食店のテラス席設置が解禁され、カフェ及びコーヒーの人気が高まっていったとされる。

 上記のイタリア系移民の影響からオーストラリアでは専用マシンでコーヒー豆に圧力をかけ、一気に抽出したエスプレッソをベースとして使用するため、味は濃厚で香り高く、酸味とカフェインが少ないのが特徴だ。また使用するミルクの種類を選択できるのも大きな特徴だ。フルミルクの他に、スキムミルク・豆乳・アーモンドミルク・ライスミルクなどの取扱いがあることが多く、乳糖不耐症やアレルギーがある人でも気軽にラテを楽しむことができるようになっている。

 オーストラリアを訪れた際はカフェに立ち寄って、自分好みのオーストラリア独自のコーヒーを探してみてほしい。

カフェ

カフェではいつも多くの人が
コーヒーを楽しんでいる

コーヒー豆の販売

オーストラリアでは
コーヒー豆も様々な種類が
販売されている

メルボルンのストリート

個人経営のカフェが並ぶ
メルボルンのストリート
休日はコーヒーを求める人が集う

2019年11月12日

[Traditional Food Mania] ちくわサラダ

Traditional Food Mania

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産地:熊本県

ちくわサラダ

ポテトサラダがぎっしり詰まった
熊本名物の惣菜「ちくわサラダ」

ちくわサラダ

産地:
熊本県
材料:
ちくわ、ポテトサラダ
投稿:
九州営業所 食品部員

 熊本で食卓に欠かせない惣菜と言えば「ちくわサラダ」である。ちくわの中にポテトサラダを詰めたものを天ぷらにしたシンプルな惣菜であるが、プリプリとしたちくわの食感と中のポテトサラダの軟らかさが口の中で融合し、絶妙な食感を生み出している熊本県民の心をつかんで離さないソウルフードだ。ご飯のおかずとして、おやつとして、ビールのおつまみとしてもよく食されている。

 ちくわサラダが誕生したのは1970年頃。熊本を中心に展開しているとある惣菜専門店が、その店で美味しいと評判であったポテトサラダと当時おかずの代表格であったちくわを組み合わせたら美味しいものができるのではないかと考案された。現在ではスーパー・居酒屋・定食屋でも提供されている上に冷凍食品としても販売されているので、熊本県の県民食として広く認知されていると言える。

 また、ちくわサラダは農林水産省が行う第23回優良外食産業表彰において「農林水産大臣賞」を受賞している。優良食品産業表彰とは農林水産省との連携・消費者ニーズに対応したサービスの提供・環境への配慮など創意工夫を活かした事業に取り組んでいる外食産業者を表彰する制度である。

 そんなちくわサラダの作り方はシンプルである。太めのちくわを選び、縦方向に切れ目を入れる。次にちくわの口を開き、ポテトサラダを詰め込む。ここでちくわの切り口が1㎝位開くようにポテトサラダを多めに詰め込むことがさらに美味しく仕上げるポイントである。そして冷水と小麦粉をさっと混ぜ、天ぷら衣を作る。天ぷら衣は混ぜすぎるとサクッと揚がらないので、小麦粉のダマが残るくらいがベスト。最後に180℃の油で揚げ、衣が薄く色付いてきたら油からあげる。揚げすぎるとちくわが膨らんでしまうので早めにあげる必要がある。

 家庭でも市販のポテトサラダとちくわで簡単に作れるため、醤油・タルタルソース・中濃ソースなど自分好みの調味料と共に是非食べてみてほしい。

ちくわサラダと醤油

意外なことに
ポテトサラダに醤油がマッチする

総菜コーナーのちくわサラダ

ちくわサラダは
惣菜として販売されている

くまモンとちくわサラダ

くまモンとコラボするほど
熊本の県民食として認知されている

2019年10月 7日

[Traditional Food Mania] ウーピーパイ

Traditional Food Mania

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産地:ペンシルバニア州

ウーピーパイ

しっとりとした食感で1個でも満足できる
アメリカ伝統のお菓子"ウーピーパイ"

ウーピーパイ

産地:
アメリカ合衆国ペンシルバニア州
材料:
薄力粉、ココアパウダー、ベーキングソーダ、塩、無塩バター、砂糖、卵、バニラ香料、牛乳、ショートニング
投稿:
ニューヨーク駐在員

 ウーピーパイとはクリーム・フロスティング・マシュマロクリームなどのフィリングをハンバーガー程度の大きさのチョコレートケーキに挟んだお菓子。アメリカ合衆国ペンシルベニア州又はメイン州発祥で、アーミッシュと呼ばれるドイツ系移民宗教集団の人々がもともと伝統菓子として食していた。

 アーミッシュは現在アメリカ大陸に30万人ほど住んでいるキリスト教系の宗派で、特に戒律に厳しいのが特徴。移民当時の生活様式を守ることを主義とし、携帯をはじめとする家電製品を必要以上に使用しない生活を送っている。また自動車の代わりに馬車を移動手段としている点も特徴的だ。

 アーミッシュはスイスのチューリッヒで生まれたキリスト教の一派。元はメノナイトという教派であったが、そこからさらに保守的なグループをヤコブ・アマンという人物が作り、彼の名前からこのグループは「アーミッシュ」と呼ばれるようになった。その特徴的な文化からアメリカ人の中でも特殊な集団として一部観光地になっており、アーミッシュ文化の見学ツアーも行われている。

 そんなアーミッシュの女性がランチボックスにウーピーパイを詰めて差し入れすると、農民が「Woopie!」と喜んだのがウーピーパイの名前の由来である。ウーピーパイとしての定義は曖昧で、パンプキンケーキやジンジャーブレッド等も良く使用される。

 ウーピーパイの作り方の手順として、まずはチョコレートケーキを焼き上げる。オーブンを180℃で予熱し、小麦粉・ココアパウダー・ベーキングソーダ・塩をよく混ぜる。別のボウルに砂糖・バター・といた卵を合わせる。そこにバニラと牛乳を加えて混ぜて、最初に混ぜ合わせた粉を追加する。生地を絞り袋に入れ、適当な大きさを天板の上に絞り、オーブンで10分-12分程度焼く。次に薄力粉と牛乳を合わせ、フライパンでとろみが出るまで弱火で加熱したら濾して冷ます。そこにバター・ショートニング・砂糖・バニラ香料・塩を加えよく混ぜ、ケーキ生地に挟む。

 ウーピーパイは既に日本で入手できるので、ぜひ「Woopie!」と言いながら食べてみてほしい。

ウーピーパイ

様々フレーバーが
販売されている

スーパーのウーピーパイ

スーパーでも
ウーピーパイを購入できる

アーミッシュの馬車

アーミッシュの人たちは
自動車ではなく馬車を使用する

2019年9月 5日

[Traditional Food Mania] へぎそば

Traditional Food Mania

グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
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産地:新潟県

へぎそば

新潟魚沼地方発祥のへぎそば
強いコシと歯ごたえが特徴

へぎそば

産地:
新潟県
材料:
蕎麦、布海苔
投稿:
新潟営業所 食品部員

 新潟の名物である蕎麦といえば、喉ごしが良く歯ごたえがある「へぎそば」が有名である。新潟県では古くから魚沼地方を中心に蕎麦の栽培が行われ、かつては農家が自家用に作った蕎麦を石臼で挽き、つなぎに工夫を凝らして各家庭の味を自慢し合っていたという歴史がある。へぎそばはそんな新潟の文化から生まれた伝統的な料理である。

 へぎそばには大きな特徴が3つある。まず1つに名前の由来にもなっている「へぎ」に蕎麦がのっていることが挙げられる。「へぎ」とは元来「剥ぐ」の訛りで、幅30センチ長さ50センチ程の木を剥いだ板を折敷にした器のことである。新潟ではその大きなへぎに蕎麦がのせられ、正月や・お盆・冠婚葬祭の際に大勢の人で蕎麦を囲むのが一般的である。

 2つ目の特徴はつなぎに「布海苔」を使用しているという点である。もともと布海苔は織物の産地として有名であった魚沼地方で、織物の緯糸を張らせるための糊として使用されており、容易に手に入る材料であった。魚沼地方では小麦の栽培が行われておらず、蕎麦のつなぎとして山ごぼうの葉や自然薯などを使用していたが、手に入れやすい布海苔が江戸時代に着目され、つなぎとして蕎麦にも使用されるようになった。布海苔をつなぎにすることによって、蕎麦に独特の喉ごしと噛みごたえがある食感が生まれる。

 3つ目は「手繰り」された蕎麦であること。冷やした蕎麦をただ器に盛るのではなく、ひと口程度に丸めてからへぎの上に並べる作業を手繰りという。この盛り方は織物の産地である魚沼地方ならではの盛り方で、糸をより紡ぐときの手法が活かされている。手繰りをするには通常の蕎麦では難しく、布海苔をつなぎとして使用したコシが強い蕎麦でないと上手く手繰りができないと言われている。

 ところで蕎麦と一緒に食す薬味としてワサビが一般的だが、魚沼地方ではワサビが採れなかったことからカラシが多用されていた。つゆには入れず、少量をそばに塗るようにして食すと、さっぱりとした辛さが楽しめる。

 魚沼地方の織物文化と蕎麦の文化が融合してできたへぎそば。東京の蕎麦と食べ比べて違いを楽しんでほしい。

へぎそば

手繰りされた蕎麦
1人前がとりやすくなっている

布海苔

乾燥させた布海苔
銅鍋で煮て溶かすと深い緑色になる

tfm305_4へぎそば

へぎそばに欠かせないへぎ
新潟では大勢でへぎそばを囲む

2019年8月13日

[Traditional Food Mania] ギロ・ピタ

Traditional Food Mania

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産地:ギリシャ

ギロ・ピタ

ギリシャで人気のファーストフード
ギリシャ全土で食べることができる

ギロ・ピタ

産地:
ギリシャ
材料:
ギロス、玉ねぎ、パプリカ、トマト、ピタパン
投稿:
アムステルダム駐在員

 ギリシャでは、どこでも食べられるファーストフードとして「ギロ・ピタ」という料理がある。ギロ・ピタは薄切りの羊肉を棒に刺し、横から火で炙りそぎ落とした「ギロス」と、玉ねぎ・パプリカ・トマトなどの野菜を「ピタ」と呼ばれる平たいパンに挟んで食べるギリシャ伝統の料理である。

 ギロ・ピタは肉の焼き方をはじめ、ピタにはさむ野菜などがトルコ発祥のケバブとよく似ている。ギリシャ料理は一般的にイタリアや南フランスと同じ地中海料理として知られているが、トルコ料理やレバノン料理など東地中海地方の料理との共通点も多くある。アナトリア半島(現在のトルコ)が長い間ギリシャ人主体の東ローマ帝国の領土であった上、1900年代のギリシャとトルコの間で起こった戦争の影響で多くのギリシャ人がトルコに居住していた歴史があったため、トルコ料理がギリシャに伝わったとされている。

 しかし元はトルコ料理といえども、ギロ・ピタはギリシャ独自の進化を遂げておりケバブとの違いがいくつかある。まず現在のケバブは鶏肉や牛肉が使用されることが多いが、ギロ・ピタの肉は羊肉が使用される。また「ザジキ」というギリシャ伝統のヨーグルトソースをギロ・ピタに挟んで食べるという特徴がある。ザジキはギリシャでは最もポピュラーなソースで、パン・肉・野菜料理の付け合せとしても良く食されるが、特にギロ・ピタとしてギロスと合わせることが多い。羊または山羊の乳から作る水切りヨーグルト・キュウリ・ニンニク・塩・オリーブオイル・コショウ・ディルがサジキの材料。非常にシンプルな作り方で、まず布でプレーンヨーグルトを包み水分を抜いておく。キュウリは塩を振り、水を切る。そして全ての材料を混ぜ合わせればザジキの完成である。

 日本ではケバブがメジャーではあるが、さっぱりとしたサジキを挟んだギロ・ピタもこの夏におすすめの料理である。そして食後に濃いエスプレッソのようなギリシャコーヒーを飲んで、遠いギリシャの雰囲気を味わってみてはいかがだろうか。

トルコ発祥のケバブ

トルコ発祥のケバブは
現在 鶏肉・牛肉が多いが
ギロ・ピタは羊肉が使用される

ギリシャコーヒー

食後にギリシャコーヒーを飲むのが一般的
煮出したコーヒーでとても濃いため
ゆっくり飲むのがコツ

ギリシャ イデア島

ギリシャのイデア島
ギロ・ピタはギリシャのどこでも
食べることができる

2019年7月 9日

[Traditional Food Mania] バッテラ

Traditional Food Mania

グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
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産地:大阪府

バッテラ

「小舟」に見立てられた大阪の郷土料理
家庭でもなじみ深い料理である

バッテラ

産地:
大阪府
材料:
しめ鯖、酢飯
投稿:
大阪食品部員

 バッテラとは酢飯の上にしめ鯖をのせ、専用の木枠に押し込めて作る大阪の発祥の押し寿司。「バッテラ」とはポルトガル語でボートの意味があり、幕末から明治にかけて大阪では小舟を「バッティラ」と呼んでいた。鯖は尾の方が小さく、寿司にしたときにその曲線が小舟のように見えることから、当時よりバッテラと呼ばれ親しまれてきた。鯖をお酢や昆布で締めるためあっさりと食せるだけでなく、寿司の保存性が高いのが大きな特徴である。関西地方(特に大阪)では家庭でも作って食べるほどなじみ深い料理である。

 発祥は今から約120年前の明治28年頃。大阪湾で「このしろ(コハダの成魚)」という魚が大量に捕れており、大阪の寿司職人がバッテラを作ったのが始まりである。安価な寿司であったため大好評となったが、「このしろ」は漁獲量に変動があるため、代替品として鯖が使われるようになった。

 バッテラは江戸時代から京都で登場した鯖寿司と似ているとされるが、鯖寿司とは異なるポイントが3つある。まず1つは寿司の切り口の形である。鯖寿司は布巾で寿司を巻き、柔らかい昆布で包むため切り口が丸くなる。一方バッテラは寿司を専用の木枠に入れて型抜きをするため、切り口が四角くなるのが特徴だ。2つ目は使用する鯖の量で、鯖寿司は少し練った酢飯に塩鯖の半身をのせるのに対し、バッテラは酢飯と薄く切った鯖を木枠に押し込めて使用するため鯖寿司と比べてのせる鯖の量が少なくなる。3つ目は昆布の違いである。鯖寿司は上等とされる羅臼昆布を使用するが、バッテラは白板昆布を使用する。

 作り方は、まず白板昆布を湯に通し、冷めてから甘酢に漬けておく。専用の木枠に鯖を敷き詰め、その上から左右の量が均等になるように酢飯をぎゅうぎゅうに敷き詰める。蓋をし両手で押し込んだら、反転させ再び押し込む。ゆっくりとバッテラを木枠から取り外し、白板昆布をのせ、切り分けたら完成。専用の木枠がなくても、細長いお弁当箱を使用すれば家庭でも簡単に大阪の伝統の味を楽しめるので、ぜひ作ってみてほしい。

バッテラ

専用の木枠で型抜きをするため
切り口が四角になる

大阪の押し寿司

大阪名物の押し寿司
加工したネタを使うため保存性が高い

tfm303_4バッテラ

バッテラ発祥の寿司屋では
バッテラを作るための
木枠が展示されている

2019年6月11日
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野澤組のコンセプト 酪農支援 通販
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